参議院

内閣委員会

平成十三年六月十二日(火曜日) 第16号


平成十三年六月十二日(火曜日)内閣委員会 第16号
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     野間  赳君     鹿熊 安正君
     宮崎 秀樹君     武見 敬三君
     直嶋 正行君     小山 峰男君
     大森 礼子君     山本  保君
     池田 幹幸君     市田 忠義君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     宮崎 秀樹君
     山本  保君     大森 礼子君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     小山 峰男君     谷林 正昭君
     白浜 一良君     荒木 清寛君
     市田 忠義君     畑野 君枝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江本 孟紀君
    理 事
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                小宮山洋子君
                簗瀬  進君
    委 員
                上野 公成君
                鹿熊 安正君
                中原  爽君
                仲道 俊哉君
                山崎  力君
                山崎 正昭君
                谷林 正昭君
                円 より子君
                荒木 清寛君
                大森 礼子君
                大沢 辰美君
                畑野 君枝君
                照屋 寛徳君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    村井  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       警察庁交通局長  坂東 自朗君
       警察庁警備局長  漆間  巌君
       厚生労働省労働
       基準局長     日比  徹君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   酒井 英幸君
       国土交通省自動
       車交通局長    高橋 朋敬君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
○委員長(江本孟紀君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、野間赳君、直嶋正行君、白浜一良君及び池田幹幸君が委員を辞任され、補欠として鹿熊安正君、谷林正昭君、荒木清寛君及び畑野君枝君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(江本孟紀君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江本孟紀君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に宮崎秀樹君を指名いたします。
    ─────────────
○委員長(江本孟紀君) この際、村井国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。村井国家公安委員会委員長。
○国務大臣(村井仁君) 六月八日午前十時十分ごろ、大阪府池田市内の小学校におきまして、学校に刃物を持った男が押し入りまして児童など二十三名を刺して傷を負わせ、うち八名が死亡するという、まことに痛ましい、常識では考えられない事件が発生いたしました。
 白昼、小学校におきましてとうとい生命が多数奪われたということは、被害者やそれから御家族の無念とお悲しみを思いますと、犯人に対する強い憤りを私も禁じ得ません。改めて、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げ、そして、けがをなさった方々の一日も早い回復をお祈りいたしたいと存じます。
 犯人は逮捕されておりますけれども、この種の事件は国民に大きな不安を与えるものでございまして、事件の全容解明のために大阪府警察におきまして全力を尽くして徹底した捜査を行っているところでございますが、あわせて、心身に傷を負った子供たちへの被害者対策も、これも真剣に取り組まなければならない問題だと考えております。
 警察におきましては、この種事件の発生の防止を図るために、警ら・警戒活動などにつきまして強化を図り、そしてまた、子供を犯罪から守るための対策を関係機関とも協議をしながら進めてまいっているところでございます。
 なお、私としましては、全容解明の上は、この種事犯の発生を防止するために、政府、関係者、力を合わせまして、一体となってあらゆる検討をすることが必要ではなかろうか、こんなふうに感じているところでございます。
 以上、発言をさせていただきました。
 ありがとうございます。
○委員長(江本孟紀君) 以上で発言は終了いたしました。
    ─────────────
○委員長(江本孟紀君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律案の両案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として、警察庁交通局長坂東自朗君、同警備局長漆間巌君、厚生労働省労働基準局長日比徹君、同職業能力開発局長酒井英幸君及び国土交通省自動車交通局長高橋朋敬君の出席を求
め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江本孟紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(江本孟紀君) 道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

(中略)

○大沢辰美君 (中略)  私は、最初に道交法の中の欠格条項の問題についてお尋ねしたいと思います。
 これまで、てんかんの病気の方、精神障害者は一律に運転免許を持つことが許されなかったわけですね。今回の改正によって、やっと一定の条件のもとに免許取得の道が開かれたわけですから、重要な一歩だと思っております。
 でも、てんかん病者、精神病者という言葉は削除されましたけれども、発作により意識障害または運動障害をもたらす病気にかかっている者、幻覚の症状を伴う精神病にかかっている者には免許の拒否、取り消しができると、言葉を変えて拒否事項として障害、疾病の列記が残っています。
 これは、障害者施策推進本部が九九年に出された欠格条項廃止の趣旨である対処方針、これにちゃんと書いてあります。「障害者を表す規定から障害者を特定しない規定へ」と、そういう方針が記されています。私は、この方針から今回の法改正の内容は外れているのではないかと思いますが、その点についての見解をまずお伺いします。
○政府参考人(坂東自朗君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、平成十一年の障害者施策推進本部決定におきましては、障害を理由とする欠格条項について、その制度の趣旨に照らして再検討を行い、必要性の薄いものは廃止し、そして真に必要と認められる制度につきましては、一つは「欠格、制限等の対象の厳密な規定への改正」、それから「絶対的欠格から相対的欠格への改正」、あるいは「障害者を表す規定から障害者を特定しない規定への改正」、さらには「資格・免許等の回復規定の明確化」、この四つのうち一つまたは複数の措置を行うことにより対処するものというようにされているところでございます。
 そこで、今回の免許の欠格事由の見直しについてでありますが、一定の障害者につきましては運転免許試験の受験資格までも制限してきた欠格事由というものを廃止いたしまして、知的能力及び身体的能力についてはすべて試験で確認することとしたものでございまして、これらに関しましては先ほどの障害者施策本部決定のうちの欠格事由とすることの必要性の薄いものを廃止するという決定に沿ったものというように考えております。
 また、従前、一定の病気等を有している者に対して免許を与え得ないとされていたものを、政令で定める基準に従って免許を拒否しあるいは保留することができるとするもので今回の改正はあることでございますので、いわゆる絶対的欠格から相対的欠格への改正、先ほどの障害者施策本部決定の絶対的欠格から相対的欠格への改正、こういうものに沿ったものというように考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、一般にどのような場合に国民に対して処分を行うかにつきましては、その権利義務に直接影響を及ぼすことから、処分理由を法律で明らかにする必要があります。特に、運転免許行政というものは七千五百万人を超える免許保持者を対象とする大量行政でございますので、どのような場合に免許を取得することができ、どのような場合に免許が与えられないかなどについての要件を明らかにする必要が高いものと、このように考えております。
 このようなことから、今回の改正案におきましては、処分の対象となる病気等の属性を法律で規定することとしたものでございます。
○大沢辰美君 方針に沿ってやっているということですけれども、疾病、障害を有する人も、その人の状態度、能力が運転業務の遂行に適しているか否か、私は個々に判断して決めることが今回の改正の本来の趣旨であると思うんです。
 だから、私は、法律に書き込むのは、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある症状として政令で定めるものとする、これで十分だと思うんです。疾病の列挙などはしなくていい、そういうように私は指摘をしたいと思うんです。
 ですから、「発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気」、「幻覚の症状を伴う精神病」という、実質的にはてんかん、精神分裂病を示す拒否事項の列挙は、疾病に対する誤解や無理解を温存させることになりかねません。欠格条項廃止の趣旨に反すると私は思うんです。
 現在、本当にてんかんというだけで就職をできない人たちもいますし、また、たった一回の発作で就職していても解雇されるという事例もあります。直接この道交法とは関係ありませんけれども、学校で子供がプールに入るときに一人だけ違う色の帽子をかぶせられるという、そういうことも行われているという事態があるんですね。私はこれらは多くの皆さんの無理解からくるものだと思うんです。
 だから、欠格条項廃止の趣旨に基づいて、道交法の改正に当たって、免許取得に当たって、障害、疾病列挙の記載は私は早急に見直して改善をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(村井仁君) 運転に障害のある疾病というような大変一般的な書き方をいたしますと、私は、それを仮に政令で詳しく基準を書くといたしましても、国会がある意味では政府に過大に権限を与えることになってしまう危険があると思うんです。
 と申しますのは、要するに、法律を通していただくということは、ある意味ではそこで政府に対しまして、ここまで規制してよろしい、こういう人には運転の免許を与えないという権限を政府に与えることになるわけですね、そういう判断をする権限を。それに際しては、国会はできるだけ厳密に、政府の権限を縛るように私は法律は書くべきものだろうと思うんです。
 運転に支障のあるような障害と、仮にこう言いましたら、非常に漠然としてしまいまして、どういうものを観念しているのか必ずしも明確に規定できない。そんな授権というものを、私はやはり国会議員の一人として、やっぱり政府にそう簡単にゆだねるべきではない、国会は、政府にゆだねるときはできるだけ特定して、厳密に、何といいましょうか、縛ってやるのが筋ではないか、私は基本的にはそう思っているんです。
 そういう意味では、今度の法律の規定ぶりでございますけれども、先ほど交通局長からもお答え申し上げましたように、平成十一年の障害者施策推進本部の定めでございますけれども、四点ございました。そのうちの「欠格、制限等の対象の厳密な規定への改正」、それから「絶対的欠格から相対的欠格への改正」、こういった点は満たしているわけでございますから、一応その方向には乗っている。それは、もちろんできるだけ「障害者を表す規定から障害者を特定しない規定への改正」ができればいいのでございますけれども、やっぱり七千五百万という大量の話でございますから、しかも、運転できる運転免許を得られるか得られないかというのは、これはやっぱり国民にとりまして大変大事な権利でございます。それを制約する話でございますから、それはできるだけ絞った形で書くように努力をするべきで、その観点から考えますときに、私は今度の規定ぶりというのは、今私どもが国会からちょうだいしようとしております授権という点では適切な判断ではないか、そんなふうに考えているところでございます。
○大沢辰美君 私は、今言われましたけれども、幅はやっぱり広げて門戸を開いていただきたい、そして、その上で政令によって、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある場合は、症状として医学的な指針に基づいて安全に支障がないか判断される、そういう状況をつくっていって対応すべきじゃないか、拒否をすべきではないというふうに考えているんです。
 ですから、本当に、この法令を見てみましたら、実質的にてんかん、精神分裂病を示す拒否事項の列記がされているわけですが、これではこの法案によって改善はされないですよということを指摘したいわけなんです。
 私は、この間、ずっといろいろな文章を読ませていただいて、世界の例を見させていただいたんですけれども、本当に既に多くの国でもうこの欠格条項が削除されて、おくれた日本の対応に非常に驚いているという国際てんかん連盟の会長を初め、厳しい批判が寄せられていますけれども、運転を許可されるのはもう普通なんだという表現をしております。ですから、今、きめ細かい法令、そういう範囲をしっかりわかるような形をあらわしたと言われていますけれども、一定の前進はあるということは、私は、てんかんという病名を削除されたことについては評価しています。だけれども、それから一歩やはり入り込めていないということを指摘したいと思うんです。
 ですから、警察庁は、今まで長年にわたってこの欠格条項について、憲法で当然保障されるべき法のもとの平等を侵された人たちにとってどういう意味を持つのかということも研究されてきたと思うんですが、私はもっと深く考えていただきたいと思うんです。
 せんだって参考人の方が、この前ここに来ていただいたんですが、聾唖連盟の黒崎さんという人が、欠格条項の存在について、耳が聞こえないというだけで人間的な欠格があると社会的にとらえられてきたと訴えられましたね。障害、疾病によって一くくりにして法的に制限を加えることで、一人一人の能力、人格を見ることなく社会参加を制限してきていると。黒崎氏の言葉は、障害を理由とする欠格条項の問題の本質をつく私は言葉として重く受けとめるべきだと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(村井仁君) 私も、過日、当委員会で御聴取になられました参考人の御意見、これは概要でございますけれども、勉強させていただきました。
 ただいま大沢委員の引用されましたお話も私もよく注意して拝見いたしました。よく理解できるところでございます。しかし、私は、例えば聴覚障害のおありになる方でありましても、それを補う何らかの機械なり何らかの手段があって、それで運転がおできになる、そういう状態になるならば、それはもう当然運転免許は与えていいではないか、それは全くそのとおりだと思います。
 そういう意味で、周囲の交通の状況につきまして、通常の聴覚を持っていらっしゃる方が認知できる、そういうことの認知が的確に行える、そういう能力が何らかの形で補えるならば、それは私は全然免許を与えるのに問題ない、その認識は変わりません。
○大沢辰美君 私はそのことを求めたいと思うんです。
 聴覚障害者の場合は、確かに、法律から耳の聞こえない者、口がきけない者という規定はなくなって、それは本当に喜ばしいことだと、この点についても表明をしています。こういう運動を続けてこられた長きにわたる結果だと思います。でも、この文章はもう既に削除されましたけれども、施行規則の中で実ってしまったという結果になってしまったわけですね。それは、可能性は広がったけれども、黒崎さんは、門は開かれたけれども玄関から先に入れないと、そういう表現をされていました。これは、いわゆる施行規則で十メートルの距離で九十デシベルの警音器の音が聞こえるもの、これは補聴器をつけてですけれども、そういう施行規則が見直されない限り実態的には変わらない法律なんだということを指摘しておりました。だから、私、欠格条項の見直しは実質的に障害を持つ人の社会参加の推進を実現するものでなければならないと。
 警察庁は、八五年でしたでしょうか、運転免許課が国際交通安全学会に委託して聴力が運転に及ぼす影響に関する調査を実施されておりました。この中でも、運転に必要な聴力の絶対的基準、これを明示するまでには至らなかったわけですね。さらに、今後の研究の必要性を強調しておりますけれども、その後は放置されたままこの間過ぎてきていると思うんです。
 今回の法改正が今大臣がおっしゃったように真に実効性を持つためには、早急に補聴器だけじゃなくて運転する補助機器の研究開発が私は今必要だと思うんです。ですから、この機能補完技術、そして機器の開発を含めて私は検討していただいて、門は開かれたけれども玄関は開かれないこの法律を、やはり見直す時期を早くやっていただきたいことをもう一度お願いしたいと思います。
○国務大臣(村井仁君) 交通局長からただいまの御質問につきましてはお答え申し上げますけれども、私は、何よりもやはり大事なことは、もう一方で交通の安全という問題だと思うのでございます。その点を私どもはどうしても押さえていかなければならない、このことだけ申し上げました上で、あと残余のお答えにつきましては交通局長から答えさせます。
○政府参考人(坂東自朗君) 今、大臣から御答弁させていただきましたように、やはり自動車を安全に運転するためには、周囲の交通状況を認知し、あるいはその後の出来事を予測し、そして行動を判断して、そしてその判断結果に従って操作を的確に行うということが必要でございます。したがいまして、音の認知ということを的確に行うためには、やはり聴力が一定の基準を満たしているということはこれは必要だと、このように考えているところでございます。
 しかしながら、先ほども大臣からも御答弁いたしましたように、聴覚に障害がある場合でありましても、それを補完し的確な認知を可能とする機器が開発される場合におきましては運転を認めることも可能ではないかと、このように考えております。
 こういったことも踏まえまして、今後、科学技術の進歩あるいは社会環境の変化等に十分に注意しつつ、交通安全の確保と障害者の社会参加を図る観点から所要の検討を行う考えでございます。
○大沢辰美君 大臣、交通の安全は、すべての人が負わなければいけないもう当然のことなんです。だから、私は、障害者の方のみにそのことを申し上げるのは表現が適切ではないと思います。そのことを一つつけ加えさせていただきます。
 ですから、この点についても、八五年に調査されました運転適性検査では、運動能力、素質についての聴覚障害者の平均像は一般的運転者と大きく異なるところは認められなかったと、こういうふうに結果が出ているわけですよね。それからもう十六年たって、耳が聞こえない方そして口がきけない方とするこの条項は削られ、十六年間削られなくてやっとできました。そして、補聴器も認められて三十年たちました。こんなことは私は本当に今後一刻も早く改善をしていただきたい。ですから、疾病列記のことも先ほど申し上げましたけれども、この見直しも、それから聴覚障害者のための施行規則の見直しも早急に検討していただきたいということを最後に要請しておきます。この点については強く要請をしておきます。

(中略)

○照屋寛徳君 具体的な質問ではございませんが、これまた先ほどの大臣の御答弁と関連して、御要望を一点だけ申し上げておきたいのであります。
 道交法の一部を改正する法律案の過日の当委員会における審議、そしてそれを踏まえて御三名の参考人から意見を聴取いたしました。その中で、財団法人全日本聾唖連盟の副理事長であられます黒崎信幸さんの意見を私、大変感銘深く拝聴いたしておりました。大臣は、参考人の意見陳述の内容というか記録をお読みになられたということでありますので、私は、大臣だけじゃなくして、警察庁の幹部の皆さん、一考に値すると思いますので、ぜひ読んでいただきたいなというふうに思います。
 この黒崎参考人の意見を聞いて、なるほど、今度の道交法改正でいわゆる障害者欠格条項の廃止、運転免許との関係で、これは私はとてもいいことだというふうに思っております。
 そもそも障害を持っているというだけで、何か欠格事由というと、障害を持っているだけで能力に欠けるとか、何か人間としての資質に欠けるとかという感じを受けますので、欠格条項なんという言葉自体が私はよくないなというふうに思うわけでありますが、同時に、黒崎参考人がおっしゃっておったことは、聴覚障害、それを免許との関係で補完する器具として補聴器だけで本当にいいのかという問題提起でございました。
 音を聞くのに、耳だけじゃなくして振動で聞いて悪いのか、音を光に変えたり振動に変えたり、こういう方法だってあるんじゃないか、諸外国でもやっているはずだと。だから、補完器具を補聴器だけに限定するという考え方は不十分だというか誤りである、そういうふうなことをおっしゃっておりまして、私はなるほどと思いました。確かに、耳は不自由でもその他の能力で我々をはるかに上回っている能力を持っておられるんだろうと思うんですね。
 同時に、なるほど言われてみると、音を振動に変えて伝達をするとか、光に変えて伝達をするという方法もあるだろうと思うんです。もちろん、一方で道交法の目的である交通の安全の確保ということも、これは私は大事にされなければならないと思いますが、そういう点では、これは警察だけの問題じゃなくして国土交通省も深く関与すべき問題だと思います。あるいは、政治全体がそういう意味での障害を持っておられる人たちのさまざまな補完器具の開発というか、そういう手段をもっともっと真剣に考えていくということはこれから大事だろうなというふうに思います。
 そして、黒崎さんがおっしゃっておったのは、道路標識の設置についても、もっと一工夫も二工夫もして、あらかじめ交通の流れに沿って安全な運転が確保 できるように道路標識の設置も工夫する必要があるんだというふうな御指摘でございましたので、ぜひ、大臣も意欲的に参考人の意見陳述を御一読されたということでありますから、お取り組み方を強化していただきたいというふうに思っておりますが、もし御所見があれば、御意見を拝聴させていただければありがたいと思います。
○国務大臣(村井仁君) 私は、例えば身体に何らかの御不自由なところがおありになる方は逆にほかのところで非常に鋭い感覚をお持ちでいらっしゃって、御自分の行動はそれで補って余りあるようなことが多々あることはそれもまたよく承知しております。
 今、照屋委員御指摘のような、他の手段で聴覚の足らざるところを補う、例えば光でございますとか振動でございますとか、それはいろいろあり得ると思うの でございますが、そういう技術が開発されました場合には、私はこれは積極的に評価することを考えてまいりたい。
 いずれにいたしましても、私どもが現在志していますところは、いわゆる交通安全という一つの政策要請と、それからもう一つ、障害のある方もない人もみんな共生できる社会をどうやって築いていくか、そういう二つの理念をどのように調和させていくかという課題だろうと思うんです。そのために私どもも今後ともしっかり努力をしてまいりたい、改めてその決意を申し上げる次第でございます。
○照屋寛徳君 私の友人で高等学校で先生をしている者が、風疹で聴覚障害になった子供たちに野球を教えているんです。そういうものを見ますと、てきぱきとやっているんです、バレーボールにしたって。特に野球については、私はよく指導してくれたなと。子供たちの技術だってすばらしいわけです。それから、私の知人のお嬢さんが、風疹の影響で耳が不自由でしたけれども、大学まで進学して銀行に就職して、銀行業務をてきぱきとこなすわけです。
 そういう点では、今大臣がおっしゃったように、障害を持っている者もそうでない者も共生していく社会、障害というのは何か欠格事由じゃなくして、私はむしろ個性と見てそれを大事にしていくということがこれから私たちにとって大事かなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(中略)

○委員長(江本孟紀君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、道路交通法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(江本孟紀君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 簗瀬進君から発言を求められておりますので、これを許します。簗瀬進君。

○簗瀬進君 私は、ただいま可決されました道路交通法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法律の施行に当たり、次の事項について万全を期すべきである。
 一、障害者等に対する免許の拒否等の基準を定めるに当たっては、交通の安全と障害者等の社会参加が両立するよう、障害者団体を含め、広く各界の意見を十分聴取すること。
 二、障害者に係る免許の欠格事由の廃止の趣旨にかんがみ、その実効性が確保されるよう、自動車の運転に当たり障害による機能の喪失を補完する補助手段の開発を急ぐとともに、補助手段を用いた障害者の運転免許制度について見直しを行うこと。
 三、運転免許の適性試験・検査については、これが障害者にとって欠格事由に代わる事実上の免許の取得制限や障壁とならないよう、科学技術の進歩、社会環境の変化等に応じて交通の安全を確保しつつ、運転免許が取得できるよう、見直しを行うこと。
 四、酒酔い運転等悪質な違反行為に対する点数や免許の取消しの場合の欠格期間の在り方等について更に検討を行うとともに、当該行為により人を死傷させた場合の厳罰化について、関係行政機関の間において速やかに検討を行い、その法制化に向けて、所要の措置を講じること。
 五、近年一層凶悪化が進む暴走族に対しては、その根絶に向け、警察による取締りを一段と強化するとともに、関係行政機関にあっては、学校や地域社会等との連携を図りつつ、暴走族への加入防止、暴走族からの離脱指導、車両の違法改造の防止等その対策強化に積極的に取り組むこと。
 六、本法律は、その内容が国民の日常生活に密接に関連するものであることにかんがみ、政令等の制定及び運用に際しては、本委員会における議論を十分に尊重するとともに、国民への周知徹底を積極的に図ること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(江本孟紀君) ただいま簗瀬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(江本孟紀君) 全会一致と認めます。よって、簗瀬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(江本孟紀君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 簗瀬進君から発言を求められておりますので、これを許します。簗瀬進君。

(中略)

○委員長(江本孟紀君) 全会一致と認めます。よって、簗瀬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの両決議に対し、村井国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村井国家公安委員会委員長。
○国務大臣(村井仁君) 政府といたしましては、審議経過における御意見並びに両法案に対する附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、交通安全対策の推進に万全の措置を講じてまいる所存でございます。
 今後とも各委員の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
○委員長(江本孟紀君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江本孟紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会

-------------------------------------------------------------------------------
障害者欠格条項のページに戻る            ホームページに戻る