聴力による自動車運転免許の制限 各国比較
2003年6月現在

国、大エリア 特定エリア 車種 聴力制限 運転条件 検査・診断 試験上の配慮 特記事項
EU
バイク・普通車・軽トラック



EC指令が最低基準となっている。
大型トレーラー・バス



EC
バイク・普通車・軽トラック



1991年に「運転免許に関するEC指令」を出している。聴力について直接の言及は不明(要調査)
大型トレーラー・バス

初回取得時・更新時に専門医の診断書を審査する。補聴器または意思疎通を助けるための矯正に配慮しつつ、措置を行う。
イギリス
バイク・普通車・軽トラック なし

通常の2倍までの時間延長、手話ビデオ使用、口頭によるテスト、通訳の用意、リップスピーカー(口話で伝える人)の用意。ミニコン電話を通じて受験の申込みができる。
大型トレーラー・バス 会話能力等に障害があり、交通事故発生時における措置ができない者は免許を受けることができない場合がある。 ろう者の場合は、補聴器を使用しているかどうか、または、何かコミュニケーションを支援する機器を使用しているか申請しなければならない。 話し言葉でのコミニュケーションや、ミニコン(電話・キーボード・出力表現装置をつないだ聴覚障害者用遠距離通信装置の製品名)等の機器を使用してのコミュニケーション能力を審査
ドイツ
バイク・普通車・軽トラック なし


聴力障害のほかに、平衡障害や視力障害がある場合は、自動二輪や普通自動車についても制限対象となる。
大型トレーラー・バス 高度難聴者およびろう者は、車両総重量3500s以上のトラック(トレーラー牽引の場合はその重量は750s以下)についてのみ、右の条件のもとで免許を取得できる。8席以上のバスなどは不可 左の場合、普通車(車両総重量3500s以下で8席以下の自動車)で3年間の運転実績があることが付帯条件 交付又は延長の申請者は、適性又は条件つき適性を排除するような疾患がないか検査を受け、証明書を提出しなければならない。
フランス
バイク・普通車・軽トラック なし 車両の両側にバックミラーを設置すること。運転免許に制限事項を記載すること。 専門医の意見を求める。
タクシー、救急車、スクールバス、公共乗客輸送車の運転者については、全て、重車両(大型トレーラー、バス等)の基準が適用される。眩暈のある場合は、すべて不適格とされ、検査と専門医の意見が必要
大型トレーラー・バス 重度難聴者(補聴器または外科的治療で1m離れた囁き声、5m離れた大声を通常の条件で聞き取れない者は、不適格とされる
重度難聴者には精神的障害の有無について精神鑑定を行う。(具体的にどのような適用になっているのかは不明)
スウェーデン
バイク・普通車・軽トラック なし



大型トレーラー・バス バスやタクシーの免許を受けようとする者は、補聴器の使用の有無にかかわらず(補聴器をつけない状態でも、ということ?)、片方の耳によって4mの距離で普通の音量の音を聞き取れることが必要



スペイン
バイク・普通車・軽トラック 補聴器使用、または不使用で、両耳合計45%以上の聴力損失がある者は免許の取得または継続不可 両耳で45%以上(左の記述からすると、45%未満の誤記?)の聴力損失がある場合、車両の外部両側へのバックミラー及び車室内のパノラマミラーの装着を義務付けている


大型トレーラー・バス 補聴器使用、または不使用で、両耳合計35%以上の聴力損失がある者は免許の取得または継続不可



アメリカ ニューヨーク州、フロリダ州、カリフォルニア州、テキサス州 バイク・普通車・軽トラック 調査していない


具体的には州ごとに決められている。米国では普通車の免許取得については聴力による制限は知るかぎりない。
大型トレーラー・バス 連邦自動車運送安全規則においては、補聴器の使用、非使用にかかわらず、よい方の耳で500Hz、1000Hz、2000Hzの周波数について平均値で40デシベル以上の聴力損失がないことが免許の条件
ニューヨーク州では免許申請書・更新書に、聴覚障害を含む病気の症状等に関する質問欄があり、答えなければならないこととされている。カリフォルニア州では、免許申請時又は更新時の審査として、聴力検査がある。フロリダ州では、職員との言葉のやりとりによる観察という方法で、聴力検査が行われ、商業免許を受けた者は、2年ごとに医師の健康診断を受ける必要がある。テキサス州では、補聴器の使用・非使用にかかわらず、聴力のよい方の耳で「強いて作った囁き声」をただちに聞き取ることができるなど一定の基準を満たす者でなければ運転できないとされている。
カナダ オンタリオ州 バイク・普通車・軽トラック なし。1.1屯以下の車両、自動二輪のドライバーにとって、聴力の低下は運転能力に対する障害とはならないとみなされている。


州によって条件や申請手続が異なる。補聴器については、肝心なときに機能しなくなったり、周囲の騒音を拡大することで疲労や苦痛の原因になりうることの問題に言及している。大型トレーラーや乗客輸送用バスの場合、振り向かずに音声が聞こえることが重要という判断理由。前庭機能の障害については、大幅な運転制限がある。
大型トレーラー・バス このうちで危険物を運転する車両の運転免許を受けている者、乗客を乗せる車両や緊急車両の運転者は、平均で500Hz、1000Hz、2000Hzの周波数について聴力損失は40デシベル以下でなければならない。 特に旅客車両を運転する者については補聴器の使用について助言や注意を受け、保守点検することが義務づけられている。 資格をもった医師の診断を受けなければならない。
オーストラリア ニューサウスウェールズ州 バイク・普通車・軽トラック なし。軽度から中等度の聴力の低下は、運転能力に影響を与えないし、聴力障害のあるドライバーは、平均的なドライバーより運転記録がよいという研究もある、としている(オーストラリア・ニュージーランド両国のガイドラインより)。 視覚に頼ることが多くなるので、外部ミラーを2本取り付けることを義務づける

前庭障害やメニエル氏病については、とりわけ営業車両については運転を禁止されている。
大型トレーラー・バス 営業用ドライバーは、エンジン音や走行音の変化に気付いたり、警笛・踏切・緊急信号やサイレンに安全を損なうことなく気付くことができるよう、適切なレベルの聴力が求められる」としている。
営業用ドライバーの健康診断がある。
日本
バイク・普通車・軽トラック 補聴器により補われた聴力が10メートルの距離で、90デシベルの警音器の音が確認できること。



大型トレーラー・バス 10メートルの距離で、90デシベルの警音器の音が確認できること。


-------------------------------------------------------------------------------
障害者欠格条項のページに戻る            ホームページに戻る